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コストカットしつつも丈夫で快適な空間づくりを実現
出典:アイダ設計 公式サイト アイダの家作り 日本の家づくりを支える存在へ
アイダ設計の家の構造は基本的に木造軸組み工法で建てられています。
木造軸組み工法とは?:伝統的な日本家屋で使われていた伝統工法を簡略化したもの。
木製の柱や梁で建物を構成し支えるので設計の自由度が比較的高いと言われている工法です。
木造軸組み工法と言うと昔は大工さんが柱にほぞ穴をくりぬいたり継ぎ手の加工を手作業でしていて家を作る下準備にも時間が掛かっていました。
アイダ設計ではプレカット工場を持ち部材の切り出しや接合部の加工も工場のコンピューター制御された機械でカットしコストを削減しています。
ミリ単位で正確にカットされた柱や部材を正確・頑丈に組み上げていくのが職人さんの腕の見せ所です。
自社で若い大工さんを育成し腕の確かな職人さんを多く抱える事で品質の維持を図っています。
この様な取り組みは住宅メーカーの施工品質のバラつき問題を解消できるのでは?と期待しています。
アイダ設計の家の基本的な構造は木造軸組み工法ですがプランにより面材工法でも建築されています。
面材工法とは?:木造軸組み工法に構造用面材を組み合わせた耐震性に優れた工法。
ZEHに特化したブラーボゼネクトの場合はリクシルと共同開発した「断熱材一体型高性能パネル」を使用しており断熱性能を示すUA値は0.46以下を実現しています。
アイダ設計の家は徹底的なコストカットをしつつ快適で丈夫で長持ちする構造の家を追求しているなと感じました。
柱は国産杉の集成材。タフで長持ち!
家の柱は家を支える大切な物です。
家の柱というと杉や檜等を使用した物が思い浮かびます。
柱に拘れば拘るほど家の価格も高くなっていきお金持ちの日本家屋は贅沢な総檜造りと言うイメージも有ります。
木造住宅を得意とする大手住宅メーカーではわざわざ大黒柱を施主と一緒に切り出しに行くツアーも企画される程重要視されていますね。
アイダ設計では実際どんな柱を使って建てられているのか調べてみました。
公式HPの情報では国内外の高品質な木材を大量仕入れする事によりコストダウンを実現しているという記載がありました。
しかしどのような木材を柱に使用しているのかはイマイチ分かりません。
実際にブラーボスタンダードで新築された方の情報では土台は檜の無垢材。
柱は国産杉で作った集成材1級の物を使うのだそう。
集成材と言うと木材を接着剤で張り合わせた物で無垢材よりも強度的にどうなの?と素人の考えではちょっと不安になります。
専門家によりますと確かに集成材は接着材が剥がれる事も有る。
しかし無垢材でも割れが生じるのでさほど問題はないとの事。
それよりも暖かい土地で急成長したような安価な無垢材を柱にする事の方が強度的には不安要素が強いのだそうです。
アイダ設計で使用されている杉や檜はシロアリの食害に遭いにくいというメリットが有ります。
正直価格・丈夫・長持ちをモットーとしたアイダ設計の家にマッチしている柱だと感じました。
ベタ基礎を採用。経済的なのが一番の強み
家造りを始めると必ず基礎の話を耳にしますね。
家の土台になる基礎はしっかりと作らなければ後々家自体が傾いたりする事も。
家の基礎には大まかに「布基礎」と「ベタ基礎」の2種類が有ります。
現在新築される日本の住宅(特に木造の場合)では「ベタ基礎」を採用するケースが8割で主流となっているようです。
アイダ設計の基礎もベタ基礎が採用されています。
掲示板では「あの住宅メーカーはいまだに布基礎だからダメ」なんて言う意見も有るのですが本当のところどうなんでしょうか。
専門家によるとベタ基礎が布基礎よりも強固と言う情報は誤りだそうです。
どちらの基礎もメリットデメリットがあるとの事。
確かに面で支えるベタ基礎は不同沈下しづらいとは言われていますが地盤の強度やバランス等ではベタ基礎でも沈下を起こすケースも有ります。
布基礎はベタ基礎と比べ立ち上がりが高い為、上からの荷重に対して強いと言われています。
軽量鉄骨を得意とする大手ハウスメーカーが採用している強度の高い基礎です。
布基礎・ベタ基礎の断面図
出典:TaF Style 公式サイト 基礎について(その1)
では何故ここまでベタ基礎が採用されているかと言うと経済性が優れているという事が理由の一つです。
例えばコンクリートの打設をベタ基礎は2回で完了するが布基礎は3回かかるのでコストがその分かかってしまうのですね。
長く住める丈夫な家を作るには建設予定地の地盤や家の工法に合わせた基礎を選択する事が一番重要なんだと感じました。
セーフティーハウスなら地震の揺れが1/2に。
大きな地震が度々襲ってくる日本に住んでいる限り家の耐震性を無視する事はできません。
お手頃価格な家を提供しているアイダ設計ですが実際の所耐震性はどうなんでしょうか。
各シリーズの明確な耐震等級の情報は無く公式HPの情報には実物大の家を作り震度7クラスの耐震実験を行ったと記載がありました。
出典:アイダ設計 公式サイト 品質·性能へのこだわり 耐震実験
アイダ設計では「セーフティーハウス」という災害に強い事に特化した企画型住宅を発売しています。
セーフティーハウスはブラーボスタンダードの仕様から更に耐震性と耐火性に優れた構造にしているとの事。
スタンダードでは筋交いで家の強度を高めていたのですがセーフティーハウスではダイライトMSと言う外壁耐力下地材を使用しています。
ダイライトで家の壁面をすっぽりと包んで耐震性・耐火性を高めています。
出典:アイダ設計 公式サイト セーフティハウス 安心のスリーセーフティ
その上「たいさくくん」と言う制振装置を設置し地震による建物の揺れを約1/2に軽減。
標準で省令準耐火構造にもなっているので火災保険がお得になる事もポイントが高いと感じます。
ただ1点だけ耐震等級が明記されていないのが気になります。
間取り等により耐震等級が変わってしまうので何とも言えないのも分かります。
ですが災害に強い事を売りにしているなら参考プランの耐震等級を記載し消費者の安心材料を増やしてほしいなと感じます。
【まとめ】構造面も価格重視。防災対策の充実にも期待したい!
アイダ設計の家はお安いからと言って決して耐震性や耐久性が劣るわけではない住宅です。
公式HPの構造に対する情報はどこかフワッとしています。
対してプレカット工場や大量仕入れでコストカットをしている事はしっかり記載しています。
その事からアイダ設計の売りはやはり価格重視なんだなという印象を持ちました。
日本は地震大国ですから耐震性に敏感な方が多いと思います。
耐震・制震・免震等地震対策を施した住宅が多く存在していますね。
セーフティーハウスは耐震性や耐火性に優れた構造です。
標準装備のグレードが高くとても良い商品だとは思いますが具体的な情報が足らないのが残念です。
地震から身を守るのは家の構造がしっかりしている事は勿論ですが家具の固定も必須です。
我が家は数年前に群発地震を経験した際、慌てて家中の家具を固定しました。
でも大型家具の固定って結構大変なんですよね。
折角災害に強い家を目指すなら置き家具が必要無い位の収納力を持つ間取りの家が欲しいです。
セーフティーハウスにセミオーダーの作り付け家具が標準装備された家を企画してくれないかな?と密かに思っています。
大きな地震や台風が毎年襲ってくる日本ではこれからこういったコンセプト・構造の家の需要が増えてくるのでは?
アイダ設計の家の頑丈さは現時点では伝わりにくい為防災意識の高い方には響かないと感じました。