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販売終了になってしまったワケは?
https://www.aidagroup.co.jp/identity/#anc_quality
残念ながら現在はこの商品を販売していない555万円の家。
歌手の美川憲一さんがキラっキラの衣装を着て「555万円で意外と素敵な家が建つ」と子供達と宣伝していたのは2013年頃でした。
その強烈なビジュアルと価格のインパクトが消費者の心の奥深くまで大きな衝撃を与えましたよね。
未だにYoutubeで見られる程の面白CMの傑作です。
このCMで「555万円で家が建つなんて凄い」と思う反面、「本当に家がその値段で建つの?」と疑いの眼差しを向ける方も多かったと記憶しています。
では本当にその価格で家が建てられたのかと言うと答えは「NO」です。
555万円(延べ床面積15.25坪)は木工事代(本体工事費)のみの金額です。
住める状態になるまでには設備費・付帯工事費・諸費用・外構工事費等様々なお金(約400万円程)が別途かかります。
したがって555万円では住める状態の家にならないのです。
その為、当時は「騙された」と感じる人もいらっしゃって評判を下げてしまったのではないかと推察します。
555万円の家はあくまでもアイキャッチ的な商品と言う位置付けだったんでしょうけどね。
消費者にとってはこういったからくり的な価格設定は不親切だなと感じました。
その反動か現在は「正直価格」を押し出しイメージチェンジを図っています。
間取りは無駄なくシンプル。終の棲家にちょうど良い
完全自由設計の家が555万円で建てられると当時の人々に強い印象を残したアイダ設計。
555万円で建てられると宣伝していたのは15.25坪の平屋だったようです。
坪単価を単純計算してみます。
555万円÷15.25坪=36.39万円。
坪36.4万円という衝撃プライスですね。
15坪と言うと少々手狭に感じますが畳に変換すると約30帖分の広さです。
この商品を単身の親御さんの終の棲家や離れにと建築を考えられた方も多かったのでは?と推察します。
555現在万円の家は販売していないので公式HPには詳しい間取りが出ていません。
アイダ設計の間取りプラン集から15坪1LDK平屋の間取りを見つけたのでご紹介します。
こちらの延べ床面積は15.05坪です。
https://aidagroup.meclib.jp/aida_plan_1/book/#target/page_no=3
玄関ホール・12帖のLDK・6畳の和室というオーソドックスな造りの平屋です。
しっかり玄関ホールと廊下が取られていてプライベートを確保しています。
今となっては555万円の家の詳細不明なのが残念ですが昔懐かしいなかなか良さそうな家ですよね。
こちらはアイダ設計の家では無いですが15.02坪・1LDKの平屋の間取りです。
https://fit-ieterrace.jp/lineup/hiraya/
14帖のLDKに4.5帖の個室が有る大変シンプルな平屋です。
無駄な廊下が無い今時の間取りは一人暮らしの高齢者にはちょうど良い造りと大きさだと感じました。
最終的な総額は約1000万円
555万円(しかも税込)で家が建つと当時の人々の心を鷲掴みにしたアイダ設計の激安住宅。
実際の所、555万円で家は建築できません。
この価格に付帯工事費や外構工事費・諸費用・オプション等約400万円程プラスした総額がこの家の本当の建築費です。
単純計算すると955万円です。
15.25坪の平屋を1000万円以内で建築可能という事ですね。
平屋の家は2階建てよりも建築費が掛かるのが普通です。
総額から坪単価を単純計算すると62.6万円となり少々割高に感じる価格になってしまいました。
因みに平屋の一般的な坪単価は約60万円~70万円と言われています。
なので本当は555万円の家が飛び上がるほど安くも高くもない到って正常な価格設定の家なんです。
でも正直インパクトに欠けますよね。
その為木工事代のみの555万円で表示し「安い」というイメージを人々に植え付けたかったんでしょう。
家の総額が宣伝の額面よりも倍位高くなってしまうとやはりガッカリ感が大きくなるのが人間です。
他の住宅メーカーでも同じようなびっくり価格を打ち出しその後軌道修正、「誠実」「正直」路線へシフトチェンジしています。
それだけ最近の消費者が住宅に対してシビアな目を向けるようになったからかなと感じます。
【まとめ】現在は後継の「ブラーボスタンダード」が看板商品
アイダ設計の555万円の家はアイダ設計の名を世間に知らしめたアイキャッチ的な商品です。
注文住宅なのに坪あたり36.4万円という激安価格は当時大きな話題になりました。
その強烈なインパクトで販売されていない現在でも「アイダ設計と言えば555万円」としっかり消費者の記憶に残っています。
当時のチラシを見ると「ブラーボスタンダード」と銘打たれていました。
https://www.aidagroup.co.jp/order/view/1
現在も名前だけ引き継がれているようですね。
実際はこの値段では家が建つはずもなく期待を裏切られたと感じる方も多かったようです。
555万円シリーズで新築された方のブログを発見しました。
この方のお宅は個人で依頼した第三者機関のチェックで10数か所の修正が発覚。
修正を指示しても数か所の修正は拒否されるという異例の事態が発生したんだとか。
住宅診断士のチェック料金は12万円と結構な出費だったようですが依頼して本当に良かったと仰っています。
アイダ設計でも第三者機関の厳しい検査を謳っていますがやはり個別でも依頼したほうが良いですね。
ダブルチェックになりますがこの費用は決して無駄ではありません。
この様な検査は職人さんや営業さんに「しっかり丁寧に造ってね」とプレッシャーをかけられますから。
住宅メーカーの甘い言葉に乗っからない毅然とした態度でお安くて質の良いマイホームを手に入れたいですね。