アキュラホームの耐震性:構造だけに頼らない。バランスの良い地震対策

不利な条件下での耐震実験も好成績。正真正銘の高耐震

アキュラホーム 高耐震・高耐久の長期優良住宅 耐震実験

http://www.aqura.co.jp/about/technology/tech_02.html

大きな地震が何度も襲ってくる日本で暮らすには家の耐震性が重要になってきます。

アキュラホームは「適正価格」の他に「高耐震・高耐久」を掲げています。

アキュラホームの耐震性は具体的にどんなものか気になりますね。

2018年には耐震性能を調べる為三日間にわたり実物大振動台実験(耐震実験)を実施しました。

日本で起きた最大震度7は勿論、今後予想されるそれを上回る震度も含め連続10回のテストを行いました。

結果は構造体・内装に到るまで損傷が無かったと公式HPに記載されています。アキュラホーム 耐震実験の結果http://www.aqura.co.jp/about/technology/images/tech02_image06-2.jpg

正直な所、実物大の家と言っても数値を良くするためにテスト用に建てた家かな?と思っていました。

耐震の為には屋根を軽くするのが良いと言われていますよね。

しかしアキュラホームの顧客は太陽光発電を屋根に搭載する場合が多いので13kwの屋根一体型の物を乗せて実験を行ったんだとか。

そして吹き抜けや大空間を自由設計で取り入れる家が多いので壁や柱も少な目でテストに挑んだようです。

近年大手企業のデータ改ざんが取り沙汰され中世間の目が厳しさを増す中で随分チャレンジングな実験をしていますね。

不利な条件をあえて課すことで更に安全性を実証することが出来ます。

おしゃれな家も良いけどやはり頑丈さが大切なのでこの実験は顧客にとって一番の安心材料になるのでは?と感じました。

耐震等級は「3」で最高レベル

家造りを始めると「耐震等級」というキーワードに出会う事が有りますね。

耐震等級とは?:住宅性能表示制度の「構造の安定に関する事」と言う項目で1~3までの3段階別で記載されています。

等級1は建築基準法に定められた基準を満たす物とされ、等級2はその1.25倍で等級3は1.5倍の強さが有る住宅だと示しています。

高い耐震等級を取得するには梁や柱等の構造体の太くしっかりした物である事や窓・出入り口等の開口部のサイズに制約が出てきます。

アキュラホームは最高の耐震等級3を取得していて安心安全な家を建てたいというオーナーにとっては心強いですね。

標準品で建てても揺れに強いと言うのがとても良い点だと感じました。

因みに今まで木造の家は地震に弱いと思い込んでいたのですが鉄骨やRC造り等の他の素材よりも軽量な事が耐震面ではメリットなんだそうです。

確かに屋根は瓦よりも軽量な金属の方が揺れにくいと言われていますね。

壁や梁・柱の重さも揺れに関係してくるのは当然と言えば当然なんでしょうけど素人の私にとって目から鱗でした。

木造でも耐力壁の配置や構造のバランスが良いなら鉄骨やコンクリートにも引けを取らない揺れに強い家になるという事です。

家を建てる際にはデザインだけでなく耐震等級にも注目して住宅メーカーを決めたいですね。

オリジナルの制震ダンパーで過酷な実験をクリア!

アキュラホームの制震ダンパーってどんな物?

地震が多い日本では免震構造・制震ダンパー等様々な地震関連の住宅にまつわる物が登場していてどんな働きをするのか正直良く分かりません。

アキュラホームでもオリジナルの制震ダンパーを付ける事が出来るようですね。

何やら良さげな制震ダンパーについて少し調べてみました。

制震ダンパーとは?:揺れの力を吸収するあるいは変化させ建物の損傷を回避する装置の事です。

素材は粘弾性ゴムや油圧を使い地震の力を分散する働きが有ると言われています。

制震ダンパーについては販売している大手メーカーがデータを改ざんしていると国土交通省に指摘された事が報道されました。

その為制震ダンパーの効果を疑問視する声も有りしっかりとした効果が得られるかどうか分からないと言うのが実情のようです。

ネットの掲示板でも制震ダンパーについては「必要無し」とか「無いよりましなのでは?」という意見が飛び交っていました。

アキュラホームは耐震実験に使用した家に制震ダンパーを付けた事が書かれていましたが標準装備なのかは不明です。

地震大国である日本の家は揺れとは切っても切れない関係です。

少しでもその被害を小さくしたいと願うのは誰でも同じなのでメーカーは良い製品を誠実に作ってほしいなと感じました。

地震に強い「マルチストロング工法」を採用

地震に強い木造住宅と言えば2×4等の木造枠組壁構法が真っ先に思い浮かびます。

アキュラホームの家は基本的に木造軸組工法です。

「マルチストロング工法」という工法を採用していて地震に強い構造を実現していると宣伝しています。

「ストロングウォール」という強靭な壁材を建物の壁に使用し強度を確保しているとの事。

アキュラホーム 「壁倍率5倍」の高倍率耐力壁「ストロングウォール」

http://www.aqura.co.jp/about/technology/tech_04.html

ストロングウォールは東京大学との共同開発で生まれた構造用面材で一般的な耐力壁の4.5倍の強さを持つ素材です。

内壁に使用する石膏ボードの力も合わせ約5倍の強度になるという説明が公式HPに書かれています。

ストロングウォールは国土交通省の認定も取得している物なので安心感は有りますね。

しかし構造用面材はただ沢山使ってあれば家が地震に強くなると言う訳でもなさそうです。

しっかりとした構造計算に基づき構造用面材と柱をバランスよく配置しなければいくら良い材料を使用しても効果が半減してしまうと考えられています。

その為、アキュラホームの公式HPに有るような最大32帖の大空間設計等は少々リスクが高いのではないかと思います。

地震に強い家を建てるならやはりバランスの良い壁の配置と家の形に注意して設計をしてもらうのがベターだと感じました。

自由設計ゆえの、こんな不安もある

家を建てる際、インテリアや間取りに注意が行ってしまいがちですがやはり地震大国の日本では外せないのが家の耐震性能です。

アキュラホームは耐震等級最高位の3を取得していますからその点では安心度が高いと感じます。

公式HPの耐震等級についてのページには小さく*「設計によっては最高ランクにならない場合も有ります」との記載がありちょっと不安になりました。

地震に強い家の形は単純な長方形だと言われています。

アキュラホームは注文住宅で自由設計の家で様々な形の家に対応しています。

その為全ての家に最高等級が付けられる訳では無いんですね。

もう一つ気になったのは「トリプルストロング床」という工法についての記述です。

構造用合板を梁に接着剤とくぎで密着させる剛床工法(根太レス工法)を用いて強度を確保していると宣伝しています。

この剛床工法はローコスト住宅のメーカーでは主流になりつつある工法のようです。

剛床工法については専門家で色々な意見が有ります。

欠陥住宅問題に詳しい弁護士さんのブログに剛床工法のデメリットについての記事が有りました。

床の強度を高める他にコスト削減の意味も加わった手法として用いられる事が多いので注意が必要だと感じます。

我が家もリフォーム時に重量が有るアンティークのサイドボードを置く場所の補強の為に床板に直接12㎜厚の構造用合板を2枚重ねて敷き込んで貰いました。

安く手っ取り早く補強してもらえたので私としては満足ですがしっかりとした家になったかどうかは不明です。

安心度が高い家にするには横文字の宣伝文句に踊らされずにしっかり構造まで吟味する事が大切だと感じます。

【まとめ】耐震性は一つの観点からは語れない。総合的な”バランス”が大事

アキュラホームの家は耐震等級3を獲得している高耐震住宅と宣伝しています。

木造軸組工法のアキュラホームの家の構造を支えるのはストロングウォールという構造用面材です。

2018年には東京大学・京都大学の教授達の監修のもと3日間にわたり耐震実験を実施しました。

家自体は震度7以上の揺れが連続で10回来ても大丈夫と言う事ですので安心できる材料になりますね。

しかしこれはあくまでもテストですので必ずしもアキュラホームで建てた家が全て大きな地震に強いかどうかは不明です。

敷地が軟弱な地盤の場合は地震が起きた際に地盤沈下し家が傾いたり基礎や外壁に亀裂が入る等深刻なダメージを引き起こしてしまいます。

地震に強い家を作るには家の耐震性と地盤の強さも大事です。

まずは敷地の地盤調査が必須ですね。

アキュラホーム 地盤調査は、強度や地層など、全棟で入念に確認。

http://www.aqura.co.jp/about/technology/tech_03.html

アキュラホームで自宅を建築された社員さんのブログには地盤調査の方法が書かれていました。

アキュラホームの地盤調査は最新のレイリー波方式(表面波探査法)との事です。

このレイリー波方式は人為的操作が少ない為熟練の技術を持ち合わせていなくても精度の高い調査が実施できると言われています。

その為、過剰な地盤改良工事をする事も無くなりますので結果的にはお得な調査方法でとても合理的で良いなと思います。

地震に強い家は高い耐震性能・しっかりした地盤と基礎、そして揺れに負けないシンプルな家の形が合わさり実現できるのだと改めて感じました。