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間取りはごくスタンダード。もうちょっと工夫が欲しかった!
https://aidagroup.meclib.jp/aida_plan_1/book/#target/page_no=9
アイダ設計のゾロ目シリーズのご紹介も佳境に入ってまいりました。
777万円の家の間取りはどんな物だったのか現在販売されていないので乏しい情報から妄想してみました。
この価格で建築出来たのは延べ床面積24.8坪の家だったそうです。
666万円の家の大きさと比べると約4坪(8帖分)広くなっていますね。
アイダ設計のプラン集に延べ床面積24.08坪坪の間取りが掲載されていました。
6帖の和室と2つの洋間(6帖)が付いたコンパクトな平屋です。
2人暮らし~3人家族用の間取りですね。
和室は仏間兼客間に、個室はそれぞれの寝室にしても良いですし手狭感を感じずに暮らせそうです。
こちらはアイダ設計ではありませんが24・04坪の2階建て3LDKの間取りです。
https://www.ipasso.jp/plan/plan0002/
2F主寝室に設定された6帖の洋間に広め(3帖大)のウォークインクローゼットが備えられています。
24坪の家は555万や666万の家の間取りと比べると一部屋増えたので広さ的にはファミリー向けの間取りになりました。
でもあまりに普通と言うか無難な印象ですよね。
予算を気にすると24坪と言うコンパクトな大きさに注文住宅ならではのアイディアが盛り込めるのか未知数です。
正直イマドキの分譲住宅の間取りの方が洗練されていますし広さももう少し確保出来るような気がします。
777万円の家はコストダウンを追求した注文住宅
当時の営業さんの情報から777万円の家の特徴を探りました。
777万円に頑張って近付けるようにアイダ設計もコストダウンに躍起になったんだとか。
とはいえ家の基礎・構造体の強靭さ・耐震性を下げる訳には行きません。
その結果、設備のグレードを落とす事にしたんだそうです。
例えばペアガラスサッシをシングルガラスに。
システムキッチンは引き出し式から観音開きに。
雨戸はオプションにするといった具合です。
なんだか昭和な住宅の標準仕様に逆戻りした感があります。
この様な涙ぐましいコストカットをしても結局込々価格で777万円は実現出来なかったようです。
当時付帯工事費は「150万円程掛かる」とセールストークしていたので合計すると927万円です。
「ぎりぎり1000万円以内で建築出来るよ」という事でしょう。
この様な家を注文住宅で無理して建てる必要があるのかちょっと考えてしまいました。
正直イマドキの分譲住宅の方がはるかに良い仕様です。
アイダ設計の分譲住宅ですと安い物で1200万円程で購入出来てしまいますからね。
消費者としてはもう完全に分譲住宅に気持ちを持っていかれそうになります。
777万円の家は分譲住宅の魅力を引き立てる役目を担っていたんだなと感じました。
ぶっちぎりの安さが評判。でも、実際はちょっと無理があったという声も。
数年前までアイダ設計で販売されていた777万円の家。
歌手の美川憲一さんのTVCMが評判になりましたよね。
24.8坪の家を777万円で建築出来るというのはCM上のキャッチコピーです。
この価格で坪単価を単純計算してみると1坪あたり31.3万円という破格値です。
ローコスト住宅の中でもぶっちぎりの安さです。
当時の営業さんが提示していた付帯工事費150万円をプラスした価格で再計算した坪単価は37.3万円。
それでも坪40万円を切る安さなので消費者のハートをがっちり掴んでしまったのは無理もないなと感じます。
しかしこの様な激安価格では実現できず現在は販売を停止するという憂き目に遭っています。
当時の評判はどうだったのか調べてみますと下請けの職人さんのお話がありました。
「業界でも777万円の家の評判は良くない」との事。
理由は職人の数が不足している上、納期が短く厳しいからだそうです。
仕事がきついのに賃金が安い現場は腕の良い大工さんが居ない場合が多い。
腕の良い職人さんに担当してもらえるかかどうかは運次第という感じになってしまいます。
この様な評判を見ると他の住宅メーカーでも良くある事だなと感じました
【まとめ】777万円の家は失敗を成功につなげた立役者
777万円の家は2013年頃に盛んにアイダ設計が推していた超格安注文住宅です。
555万円・666万円と続きゾロ目で価格を設定。
消費者の心に響くTVCMで猛アピールしていましたね。
これらゾロ目価格の家は現在販売していない幻の商品です。
アイダ設計はゾロ目価格が大好きなんでしょうか。
高齢者に優しい住まいに特化したコンセプトハウス「楽らくご長寿さん」本体価格は888万円です。
https://www.aidagroup.co.jp/order/view/8
延べ床面積18.87坪の平屋は無駄のないシニアに優しい造りです。
https://www.aidagroup.co.jp/order/view/8
個人的には標準設備や建具の選定等高齢者に対する細やかな気配りが感じられ気に入りました。
こちらは玄関の壁面に付けられる便利な収納式のベンチ。
https://www.aidagroup.co.jp/order/view/8
本体価格から坪単価を単純計算すると1坪あたりの価格は47万円程です。
折角1000万円前後の大金を支払うならこの様なコンセプトハウスが良いなと思いました。
777万円の家はCM価格に何とか収めようと様々なコストカットを施した住宅メーカーの苦悩と葛藤を感じさせる家です。
「安くて良い家を建てたい」という消費者のニーズに応えるべく頑張ったんだなと思います。
しかしこの衝撃価格の住宅は「安かろう悪かろう」な家になってしまう危険性を孕んだ商品でもありました。
アイダ設計が「正直価格」にシフトチェンジしたのは良い選択だったのではないかなと感じます。